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カンヌ映画祭『カンフーパンダ』が注目される理由
カンヌ映画祭『カンフーパンダ』が注目される理由
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080519/25273?cd
「中国を持ち上げていいのか」と噛み付く記者も……
まつかわ ゆま(2008-05-19 21:00) ドリームワークスのCGアニメ『カンフーパンダ』がカンヌに登場、公式上映には声の出演をしたスターたちも姿を見せ、観客の歓声を浴びた。中でも人気はカンフータイガー役のアンジェリーナ・ジョリー。夫・ブラッド・ピットとともに双子の妊娠7カ月のふっくらおなかで、にこやかにレッドカーペットを歩いた。ちなみにドレスに合わせた靴はナイキのローヒール。妊婦、なのだ。
パンダのポー役を務めたジャック・ブラック(撮影:まつかわゆま)
物語はまぁ、想像ができるだろう。
ふとっちょの若いパンダがいる。彼はカンフーマスターにあこがれているが、父(なぜか鶴)は家業のヌードルレストランを継いでほしいと思っている。ある日、強力な敵が街に帰ってくることが予言され、カンフーマスターは敵を迎え撃つ戦士を選ぶことになる。
そこで、何の手違いか選ばれてしまったパンダが、試練と自分自身の弱い心を克服し、敵に立ち向かうのだ。
パンダのポー役はジャック・ブラック。「おれがポーだ」と共感をしているという。アンジェリーナに言わせると「ディズニーの『ダンボ』みたいなものよ」。
つまり、自分の弱点だと思っていることが、その人にしかない個性であり、特技であり、人のために、役立てることができる、というのがテーマだと。
ポーの弱点は食いしん坊でふとっちょであること。マスターはこれを生かしてポーにカンフー技を伝えていく。
アンジェリーナ・ジョリーといえば子供と難民の支援で国連の特別大使を勤めていることでも知られている。開会前日に中国四川(パンダの故郷だ)で起こった大地震についてコメントを求められて、
カンフータイガーの「声」を務めたアンジェリーナ・ジョリー(撮影:まつかわゆま)
「支援としては学校の建て直し、子供たちの精神的ケアなどを考えている。けれど中国の前にビルマの洪水の支援も行わなければならない」
と真剣に語る。
こんな時期にカンヌの映画祭に来ている暇はあるのか、という皮肉を込めた質問だったのだが、「国連の特別大使であると同時に、母親であることも女優であることも私の仕事の一部」とかわす。
カンボジアとベトナムから養子を迎えているが「それぞれの生まれた文化を忘れないようにそれぞれの国の教師をつけて言葉と文化を学ぶようにしている」そうだ。
『カンフーパンダ』は監督によれば、「中国文化へのリスペクト」であり、ジャック・ブラックに言わせれば「おれたちの世代はブルース・リーにあこがれて育った。カンフーマスターになることはそんなおれたちの夢なんだ」そうな。その夢はどうも『少林サッカー』を見てよみがえったらしい。
今年のカンヌは課題がいっぱい。アメリカの大統領選はあるし、北京オリンピックはあるし、チベットとミャンマーでは反政府運動が弾圧されているし、ミャンマーでは洪水、四川では地震がたくさんの人命を奪っている。アフリカの紛争、飢餓と貧困の問題もちっとも解決されていない。地球温暖化などの環境問題もそのままだ。そして、豊かな社会であるはずのEU諸国やアメリカ、日本では格差が拡大し、若者たちに閉塞(へいそく)感が広がっている。
Kung Fu Panda TM &(C)2008 DREAMWORKS ANIMATION L.L.C. ALL RIGHTS RESERVED
こんな世界に対して映画は何ができるのか。
どうも今年のカンヌ映画祭のテーマはこのあたりになりそうだ。なにせ、『カンフーパンダ』に対して「チベットで何が起きているか気にならないのか。中国を持ち上げていいのか」とかみつく記者がいるくらいなのだから……。それは、いいがかりだろう、いくらなんでも。
『カンフーパンダ』
2008年7月26日(土)、丸の内ピカデリー1ほか全国超拡大ロードショー
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