スポンサードリンク
世の中、まだ捨てたものじゃない
世の中、まだ捨てたものじゃない
終電間近の電車内で出くわした光景……
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080601/25806?cd
その日、筆者は終電間近の常磐線に乗っていました。終点の上野に近づきつつあった頃、その学生風男子2人連れは乗り込んできました。
酒を飲んだ帰りらしく、1人はかなりの泥酔状態。もう1人が必死に介抱しつつ送り届けようとしている──そんな図でした。
乗車してすぐ、泥酔男子の様子がみるみる怪しくなりました。長年の経験から筆者は、これはくるなと思いました。そしてそれは、ものの5分もたたぬうちに的中したのです。
彼は、吐きました。介抱をする男子が何とか制止しようとしましたが、何の効果もあげられませんでした。それどころか、友人の吐瀉物にまみれてしまうありさま。介抱男子はさすがに一瞬、途方に暮れた様子でした。
しかし次の瞬間、彼は、全く信じられない行動に出たのです。何と、床の友人の吐瀉物をポケットティッシュで始末し始めたのです。
もうすっかり訳が分からなくなっている友人を傍らに座らせ、彼は黙々と床を掃除し続けました。車内の誰もが、固唾を飲んでそれを見守っていました。
やがて電車が、次の駅に停まりました。降りようと席を立った、これもやはり学生風の女性が介抱男子の方へ歩み寄りました。そして自らのポケットティッシュをいくつか「これも、使ってください」と言いつつ、差し出したのです。
世の中、まだ捨てたものじゃない(写真はイメージ、ロイター) それをきっかけに、他の乗客たちも次々にポケットティッシュを提供しだしました。「汚物を、この中に入れなさい」と、ビニール袋を渡すオジサンもいました。
介抱男子はいちいち深々と頭を下げつつ、それらを受け取りました。筆者はあいにくポケットティッシュの持ち合わせがなく、残念ながら力にはなれませんでした。けれど、この場を逃げだしてはいけないと思いました。手伝う勇気は、ありませんでしたが……。
車内の他の人々も同じ思いだったらしく、異臭の立ち込める車両から誰ひとり移動しようとはしませんでした。
筆者が降りる頃には、車内の床はほとんどきれいになりかけていました。世の中、まだ捨てたものでもないと思いました。そしてまだ必死に作業を続ける「今夜のヒーロー」の背に、心の中でありがとうと告げたのでした。
スポンサードリンク



