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つきあって7年……本音を言い合えない2人
つきあって7年……本音を言い合えない2人
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080711/27171
だから女性に嫌われる
亀山 早苗(2008-07-11 10:40) 「女の人って、男に何を求めているんですかねえ」
しみじみとした口調で、達也さん(35歳・仮名=以下同)はそう言った。3歳年下の梨恵さんとつきあって7年、一緒に住んで1年半になる。
「最近、彼女は仕事を辞めたいと言い始めているんです。一緒に住む前は『私は一生、仕事をしていくの』と言っていて、その溌剌(はつらつ)とした積極的なところがいいなあと思っていたのに、今は毎日のように『疲れちゃった』って……」
年齢を考えれば、そろそろ結婚して子どもがほしいと思っているのかもしれない。多くの女性は30代で、ましてや一緒に住んでいる人がいるなら、そう考えるようになるだろう。だが、達也さんは首をかしげる。
「あんまり子どもがほしいという言葉は聞いたことがないんですよね。会社を辞めてどうするのかと聞いたら、『とにかく疲れた。休みたい』と。だけど実は僕だって、中小企業で働いていて、給料だってものすごく安いわけですよ。僕だけの給料では、とてもふたりで暮らしていけない。そのへんをわかっているのかなと思うんですが」
女性の中には、いざとなれば仕事を辞めて男に食べさせてもらえばいい、といまだに思っている人もいなくはない。別々に住んでいるならいざ知らず、一緒に住んでいればそういう気持ちも強くなるのかもしれない。
「ただ、僕としても、一緒に住むようになってから、自分のほうがやはり生活費は多めに出さなくてはいけないとか、いつかはきちんと結婚しなくちゃいけないんだろうなあとか、いろいろ考えるとなんとなく負い目があるんですよね。今どき、オレなんかと一緒にいてくれるだけでもありがたいと思ったほうがいいんだろうなあとか」
長年つきあっているが、まだ法的な結婚をする決意ができない。収入もよくないから、子どもがいるような普通の家庭を築く自信がない。なんとなくすべてを先送りしながら、年月だけがたっていっていることに、達也さん自身、引け目を感じているようだ。梨恵さんにそれを責められたことはないのだが、どこかで無言のプレッシャーを感じているのかもしれない。
「彼女が仕事を辞めたいという背景には、僕にもっとがんばれという叱咤激励(しったげきれい)の意味があるのかもしれません。だけど、今の時代、転職だって簡単にはできないし、がんばったって残業代が増えるわけでもない。先のことを考えるだけで気持ちが暗くなるわけですよ。だから流されるままに生きてしまっている。ほそぼそと暮らしていければいいかなあと思う半面、これじゃいけないという気持ちもあって、僕自身、どうしたらいいかわからなくなっているんです」
ひょっとしたら、その閉塞(へいそく)感は、彼女自身も感じているのかもしれない。このまま働き続けても、彼女自身も希望がもてるような会社にいるわけではなく、将来に夢がもてるわけでもない。何か変えたい。そんな気持ちが「仕事を辞めたい」発言の裏にあるとも考えられる。
「ふたりがこの先、どうしていくのか、どうやって暮らしていって、最終的にどうするのか。実は、そういうことを話し合ったことがないんです。ふたりの関係にも、先のことにも向き合いたくないというか……」
向き合ったとしても、おそらく建設的にはなれないとふたりともわかっているのかもしれない。だからあえて、本音を言い合わない。本音を出し合ったら、ふたりの関係も壊れてしまうかもしれないと思っているのだろうか。
「いつか話し合わなければいけないと思うんですが、それが今日でなくてもいいという感じですね。彼女がある日突然、本当に会社を辞めてしまったりしたら、そのときは話し合うしかない。そのXデーがいつ来るのか、戦々恐々としながら待っているという状態だと思います」
愛だ恋だという前に、なんとか生活の確保をしていかなければならない時代。ロマンスが生まれにくくなって当然なのかもしれない。
[かめやま・さなえ] 1960年、東京生まれ。明治大学文学部卒業後、フリーランスのライターとして活動をはじめ、愛と性にまつわる人間の根源を追究している。主な著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』(WAVE出版)や『なぜ、この人でなければならないか』(WAVE出版)、『性を追う女たち愛と快感』(講談社)、『マリッジ・セックス』(新潮社)、近著に『妻と恋人 おぼれる男たちの物語』(中央公論新社)などがある。東京消防庁に密着したノンフィクション『救う男たち』もWAVE出版のウェブサイト内で好評連載中
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